見出し画像

自己分析について4年間考えたら色々わかったよ

今年は身の回りの変化が激しく、適応することが求められる一年でした。そのため、レジリエントな生き方を模索した一年でしたが、結局大事なのは自己分析ということになりました。

世の中でも自己分析とか自己理解が重要だと言われていますが、抽象度が高いため、明確な方針を決めなければ人によってやり方がブレたり、効果が発揮されなかったりします。そのため、自己分析を始める前に以下の二つの問いを考え続けることが重要です。

自己分析がなぜ必要か?

自己理解のゴールはどこか?

今日は、4年間くらいゆるーく考えてきた私なりの答えを共有します。以下に当てはまる方のお役に立てるかもしれません。

  • 就活生

  • 自己分析をもう一度しっかりやってみたいと思った社会人

  • なんか満たされない状態が続く方

  • 生きることが苦しい方

  • 自分の中の矛盾に苦しんでいる方

  • 人間関係が苦手な方

自己分析がなぜ必要か?

自己分析が必要な理由はレジリエンスを高めるため

心理学におけるレジリエンス(resilience)とは、社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力と定義される。自己に不利な状況、あるいはストレスとは、家族、人間関係、健康問題、職場や金銭的な心配事、その他より起こり得る。

Wikipedia レジリエンス

自己分析をして自分のことをよく知ることは、不意な環境の変化とともに訪れる絶望を希望に変える力になります。

その力がレジリエンスと呼ばれます。不意な環境の変化によってあなたが感じるようになってしまった絶望は、自分自身の行動を変えたり、ものの見方(行動よりも深いところにある心の働き)を変えることで大きく削減できます。

つまり、レジリエンスにとって重要なことは「自己変容」です。

そして、自己変容には、現在の自分が自分の身の回りの出来事をどのように見ているかを把握する必要があります。

自分のものの見方を客観視することが自己変容への第一歩

自分のものの見方を客観視できていなければ、あなたは自分のものの見方の正当性を過大評価しているでしょう。そうなると、明らかにものの見方を変えた方が良い状況だったとしても、自分のものの見方に固執してしまいます。

自分の考え方やものの見方には自信がない(過小評価している)けど、自分が変わること自体が怖くて自己変容ができないという人も、実は「そのままでいたい、変わりたくない、変わるのが怖い」という自分のものの見方を過大評価していることになります。

ものの見方 = 価値観 = 幸せになるための人生戦略

自分のものの見方は、言い換えれば「行動よりも深い位置にある、自分が物事をどう評価するかの指標」なので、価値観と言い換えても差し支えないと思います。そして価値観とは自分が幸せになるための行動指針のことで、要するに各個人が持っている幸せになるための人生戦略です。

自分のものの見方を客観視できていないということは、自分が立てた戦略を客観視できていないというイタい状態と同じです。ビジネスではありえないですよね。

ですが、価値観を客観視することと、戦略を客観視することでは圧倒的に自分の価値観を客観視することのほうが難しいです。その理由は、自分の価値観は、戦略のように自分の外に出ていくものではなく自己に内在するものだからです。また、戦略のように数値で測れるようなものはなく、自分の不快感や幸せのような曖昧なものが結果になります。

戦況が変われば戦略は見直さなければならない

恋人と別れる、学生から社会人になる、子供が生まれる、出世してより大きな責任を背負うようになる、パートナーと死別するなど、自分の人生の戦況が変わった時は大抵の場合絶望が訪れます。その場合は、あなたのものの見方がうまくいかないことを示している(自分の価値観では幸せになれないことを本能が直感している)ので、見直す必要が出てきます。

自分のものの見方を客観視することこそ、自己分析になります。だから自己分析が必要になるのです。加えて言えば、自己だけではなく、自分を取り巻く環境(戦況)を客観視することも必要になります。

自己分析の必要性がわかってきたところでケーススタディを挟んでみましょう。

自己分析/自己理解/自己変容のケーススタディ

恋人に急に別れを告げられた時に「絶望」を感じますよね。その絶望を感じる原因になっている自分のものの見方を探ってみてください。

例えば「あの人が私を幸せにしてくれたのに」とか「あの人のために生きることが生き甲斐だったのに」と思っていたとします。そのものの見方に固執していたとしたら、あなたは立ち直れないでしょう。

あなたが幸せになるための人生戦略には「あの人」が必要でしたが、もう「あの人」はいないんです。この事実を受け入れて「あの人」無しで幸せになる方法を考えなければなりません。

さらに言えば、次の恋人が生涯をともにするとも限らないので、このトラウマは一生付きまといます。ずっと他者への不信感とか不確実性に悩まされるでしょう。しかし、それは辛いので、できる限り不信感とか不確実性に左右されない戦略を立てたいですよね。

そこでさらに自己分析をします。このケースで戦略を洗練させるために有効な問いは「自分は恋人に何を求めていたか?」と「それは常に訪れる可能性のある「別れ」に対して寛容か不寛容か?」だと思います。

この問いについて過去の自分の行いを振り返ってみた時に、自分は恋人に対して「自己肯定感を上げてくれるようなコミュニケーション」を求めていたかも知れません。そしてその理由は、「自分の自信のなさを埋めたかったから」だとします。

目的:自信のなさを埋めたい
手段:他者に認めてもらう

自己分析メモ

目的と手段が明確になったところで、次の問は即答できると思います。この戦略は別れに対して寛容か不寛容かで言えば、「不寛容」であると言えます。つまり戦略としては想定されるリスクに対応できないものになるので、よくないものですね。

じゃぁ、変えましょう!自分のものの見方(戦略)を。

現在の戦略の問題点は、自分の自信のなさを埋めるために、他者に依存していることですね。自分の幸せを自分でコントロールできない状態になっています。これでは、自分の幸せが不安定になってしまいます。(戦況の変化に対して不寛容な状態です。)

そのため、他者に依存しないで自分の自信を高めることができるようになるというのが大方針になります。そしてそれができるようになるための、ものの見方やライフスタイルを取り入れる必要があります。

例えば自分の自信のなさが外見からきているのであれば、「そもそも外見だけでは人を判断できない、それよりももっと重要なのは人間力だ!」のように思うことができれば、外見が気にならなくなったり、本を読んだり、コミュ力を磨こうとしたりするエネルギーが湧いてくるでしょう。

自己理解のゴールはどこか?

自己理解が機能し始める基点が存在する

自己は絶え間なく変化するので自己理解にゴールはありません。ただ、自己理解が機能し始める基点が存在するので、そこを目指すというのをゴールに設定するのが良いです。

基点は「自分のことを説明可能になること」

より具体的に言うと、自分の根源的欲求(目的)とそれを満たすための行動原理(手段・戦術)を説明可能になることです。また目的と手段が設定された背景というか因果関係(過去のこういう経験が、今の私がこう考えるようになった原因だ)を説明できることです。

例えばこんな感じですね。

  • 家庭が貧しくて明日が来るのかどうか不安だったから生存に必要なことだけ気にして、それ以外の細かいことは気にならなくなった。

  • 兄弟は親から可愛がられていたけど、自分は可愛がられなかったから承認欲求が強い

  • 自分自身を変えたくないから、自分を正当化するし、世の中の欠点を探すようになった。

  • 過去に受験勉強をして成功した経験があるから、努力することに希望を感じ、ストイックにがんばれている

本当はもっと深掘りしたいし、ロジックをガチガチに組みたいし、一つのものの見方をするようになった原因となった経験を複数紐づけたいです。

自分の価値観を説明できるようになった瞬間に、あなたは自分のことを客観的に見ている

自己分析の必要性のところで、自分を客観視すると説明しましたが、実はここまで読んだ方は、それがどういうことかがわかっていると思います。

そうです、自分の価値観を説明できるようになった時です。つまり根源的欲求とそれを満たすための行動原理と、その背後に横たわる前提条件(行動原理が作られた経緯)が説明できるようになっていれば良いわけです。

ここまで来れば自分の価値観を客観的にみることができているので、戦況の変化に対して自分の幸せになる人生戦略に限界があるかどうかをジャッジできるようになります。

限界を感じている時は絶望を感じますが、そこからもう少し考えてみて「この考え方は自分を不幸にする」とか「これにこだわっていたけど、よく考えてみれば捨てることができるな」とかが見えてきた時は希望に変わっています。(最悪な状況から抜け出すことができる可能性を見出せたため。)その状態になると、自分のものの見方を変える準備ができています。

根源的欲求の深め方はこちらの記事にも書きました。さらには、仕事に対する意味づけの方法も書いてあるので、お時間ある方はじっくり読んでいただけると幸いです。

自己分析のさらなるTips

自分の根源的欲求や、それを満たすための行動原理の深掘り方

自分で仮定した根源的欲求が、本当に自分の根源的欲求なのかを判断する一つの方法は「自分のエネルギーに満ちたあらゆる行動(個性が表れた行動)に対して、なぜその行動を行ったのか?」を考え続けることです。

その際にマインドマップを用いると整理しやすいです。

根源的欲求を見つける手順

図示した例はちょっと雑に作りましたが、イメージとしてはこんな感じでまとめてみるとスッキリするかと思います。手順については、大きく分けて3つのパートがありますが、①の「個性的でエネルギーに満ちた行動を洗い出す」は、友達とかとやる方が出てくると思います。

分析した結果、一つの根源的欲求にまとまらない可能性もあります。例えば、動機を深掘りしたときに、「楽しさを追求したい」と「安定していたい」のいずれかに収束するようになったとします。その場合は複数あるままでも良いですし、解釈の幅を広げてその二つの間に因果関係を見つけても良いですし、その二つを一つの軸で説明できるものの見方を探す(さらに深い位置にある欲求を探す)でも良いです。

自己理解には深度と幅がある

自己分析を進めるにあたっては、深度と幅のいずれかを強化するという方針で良いと思います。いずれの方向に進んだとしても自己理解は深まるので、詰まったら進む方向を変えてみるのが良いかもしれないです。

幅を広げるのは水平的な自己理解であり、深度を増すのは垂直的な自己理解と定義しています。根源的欲求を見つけるにはこの二つをバランスよく進める必要があります。

動機を深掘りする時は以下のように整理しながら考える

  • 1番深い階層にある目的を達成するため手段が複数あるという関係性、階層構造で考える。

    • 目的 = 根源的欲求 = 人格(不変)

    • 手段(戦術) = 行動原理 = 価値観 = ものの見方(可変)

  • なぜ?を繰り返して動機を探るときに以下のカテゴリ分けして考えてみる。

    • 実現可能性…目的が自分にとって達成できそう、お得だなというタイプの動機

    • 危機感…やらなければ損をするというタイプの動機

    • 目標の魅力さ…自分がなりたい姿に近づいていくというタイプの動機

最後に

ものの見方を変えるには、絶望が必要不可欠

そもそも、絶望を感じていなければ自分のものの見方が間違っているなんて疑いの余地がありません。そのため絶望を感じることは、レジリエンスを獲得するための必要条件です。そのため、どんな絶望の中にも希望はあります。理不尽に感じるような世の中でも、負けないでください。

最後に励ましの言葉を引用して終わります。

 我々がこの世で受ける苦しみは、それぞれが脈絡なく発生しているようでいて、実は複雑に絡み合った糸のように相互に影響し合っていることが多いのですね。
 そして、その根本の原因を作り出している発生源が、他ならぬ自分自身のものの見方であることが人生においては存外に多いのかもしれません。
 本書は、自分をとりまいて起こるトラブルの原因を見直し、人間関係に関する多くの問題を一挙に解決できる力を秘めています。

自分の小さな箱から脱出する方法 8p

この本の要約・感想文も書いたので興味ある方はぜひ読んでみてください!

この記事が参加している募集

仕事について話そう

よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!