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今起きていることの本質を掴むシステム思考

最近はジムでバタフライをしているんですが、水泳っていうのはすごく面白くて。というのも筋肉任せに体を動かしても全然進まないんですよね。水の抵抗がえぐいんですよ。まぁトレーニングにはなるからいいんですけどね。でも、おかしいじゃないですか。こんなに筋肉があるのに、隣で泳いでいるおばちゃんのバタフライの方が早いんですよ。マジで悔しい。

自分の泳ぎ方が下手くそなのか、あのおばちゃんの前世がカジキかのどっちかだと思ってますが、後者は検証ができないので、勝手に前者だと思い込むようにしてバタフライフォームの改善をしています。

はい、今日も頭が筋肉でできているあたまがきんに君です。

今回は「世界はシステムで動く」の読書感想文記事を書こうと思います。

ですが、今回は要約は載せずに自分の理解を自分の言葉で共有していく回にしようと思います。「システム思考が有用すぎていろいろな人に紹介したい!」というのが今回のモチベーションになります。

構成はこちらです。大きく分けて3パートあります。


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システム思考をオススメする理由

なぜシステム思考を使うのか?

一言で言えば、システム思考は世の中で起きていることの本質を捉える力を持つからです。システム思考を用いて、自分の身の回りで起きていることの本質を捉えなければ、我々はしばしば無意味な施策を繰り返したり、回り道をしたり、逆方向に物事を進めてしまったりします。そして、世の中はなんでこんなにうまくいかないんだと絶望することになるかもしれません。

世の中は想像している以上に複雑で、直感とは反する出来事に溢れています。そのため、我々はしばしばこの世界の挙動に驚かされてしまいます。

ダイエット計画が思うように進まなかったり、年収と幸福度はある点から急に正の相関を持たなくなったり、戦争が終わらなかったり、事業成長が思った以上に好調すぎたり、幸せになるためにこだわっていた自分のものの見方を捨てた瞬間に急にこの世界が優しく見え始めたり。

しかし、これだけ複雑な世の中を注意深く観察していくと、世界はある目的のために一貫した挙動をもつ要素のつながり(要するにシステム)で動いていることがわかります。それぞれの要素(サブシステム)の挙動は一貫していますが、その複雑な組み合わせや構造により、直感とは反する複雑な挙動を生み出しています。

システム思考は、複雑な世の中を正しく観察し、一貫した挙動を生み出している構造を明らかにし、驚きを減らす力を与えてくれます。そして、世の中にあるシステムを設計し直して、望む挙動をもたらすことができるようにする力も与えてくれるでしょう。

例えば、自分の幸福度について考えてみる

例えば自分の幸福度というストックの経時的変化(幸福度増幅システムのアウトプット)について、以下のような挙動だったとします。仕事で成功したとか、愛犬が亡くなったとか、風邪を引いたとかで幸福度というものが増加したり減少したりします。

幸福度の経時的変化

ですが、理想は安定的に幸福度を増幅させ続けること、外部環境の変化があっても自分の幸福度にはマイナスの影響がない状態にすることが良いですよね。

ずっと幸せな状態を維持したいので、「幸福度増幅システムの挙動を直したいな」と思うじゃないですか。

システム思考が使いこなせるとシステムの直し方がわかる

システム思考が使いこなせるようになると、例えば、幸福度増幅システムの挙動について、以下の図のような形に持っていくことができます。

理想の幸福度の経時的変化

要するに、何かしらの施策を実行することで、システムの構造を「好ましい挙動を生み出す形」に変えることができます。

幸福度に関することだけでなく、あなたの身の回りには、コントロールしたいストックがたくさんあるはずです。

体重、事業売り上げ、資産、キャリア、人間関係、モチベーション...etc

できる限りコントロールしたいストック

それらに対して、私たちは施策(ダイエット計画を立てたり、事業戦略を立てたり、資産形成についての勉強をしたり、キャリア設計をしたり、人間関係の問題、モチベーション管理)を打つわけですが、これらのストックに影響を与えているシステム構造が背後にあり、予測やコントロールが難しい複雑な挙動を生み出しています。

そして、施策によって挙動をコントロールすることで、例えば、ダイエットに関しては体重を適切なサイズまで下げて維持したいし、スタートアップの事業戦略だったらT2D3以上のスピードで成長したいし、人間関係は基本的に関係値を深めながら維持・拡張したいですし、資産形成では総資産はできる限り増やしながらリスク分散度合いを高めたいですし、モチベーションもできる限り高いレベルに保ちたいですよね。

これから、ストックを望ましい挙動に近づけるための施策の探り方も踏まえて勉強していきましょう。

システム思考を手中に収めよう

そもそもシステムとは?

システムとは、何かを達成するように一貫性を持って組織されている、相互につながっている一連の構成要素です。
システムとは3種類のものから成っており、「要素」と「相互の繋がり」と「機能」または「目的」です。

世界はシステムで動く p32

つまり、本書でいう「システム」とは、情報システムのような狭義的な意味でのシステムではなく、考えられる限り一番広義的な意味でのシステムになります。経済や生態系、人間の循環器系、サッカーチーム、エアコン等様々なものが広義的な意味でのシステムに該当します。

システムの基本概念を身につける

まずは、ストックとフローを理解しましょう。

ストックとは、システムの要素でいつでも見たり感じたり、測ったりできる時間の経過と主に蓄積された物質や情報の蓄え、蓄積量です。

ストックとは

フローとは、ストックを変化させる動きで、ストックを減少させるのがアウトフローで、ストックを増加させるのがインフローです。

フローとは

先ほどの幸福度のシステムをストックとフローの概念を用いて一番シンプルに表すとこちらになります。

幸福度のシステムにおけるストックとフロー

この幸福度というストックに関するインフローがアウトフローに比べて優位になれば、一時的に幸福度は増幅し続けます。逆に、アウトフローがインフローよりも優位になると、幸福度は減少し続けます。

幸福度の経時的変化

その結果、幸福度というストックは上記のようなダイナミクスを持ちます。

そして、ストックのインフローとアウトフローを作っているシステム構造を理解していくことで、幸福度というストックのダイナミクスを説明できるようになります。

構造とは何か?

システムにおける構造とは何かという話をします。

例えば、こちらは構造でしょうか?

猫と幸福度

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