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成長に対する解像度を上げたいならこの一冊。「なぜ部下とうまくいかないのか」

こんにちは、脳筋です。

普段いろいろな物事を考え続けていると、しょっちゅう壁にぶち当たり、思考が止まる感覚ありますよね。そんなときに私を救ってくれるのが、シャワーの時間です。私はシャワーを浴びると、よく壁をぶち壊すようなアイデアが生まれてきます。理由は簡単で、副交感神経と交感神経のバランス的なやつですね。

今日のシャワーでは、二年以上悩んでいた私の芸名について、ひらめきを得ることができたので、ぜひ紹介したいと思います。


私の芸名について

普段はITエンジニアの自分が、芸人としても、ボディビルダーとしても尊敬する大人がいます。それは、私と誕生日が一緒の「なかやまきんに君」様です。私の芸名については、そこからインスピレーションをもらって、「あたまがきんに君」にしようと思っています。HIPHOP好きの人はもうわかったと思います。そうです、韻を踏んでるし、脳筋と意味がかかっているのでパンチラインです。二年間解決しなかったタスクがこのような納得感のある形で解決したのがとても嬉しいです。今後も私、あたまがきんに君をよろしくお願いいたします。

バイザウェイ、そろそろ本題に入ろうと思います。今日のテーマは私の人生を豊かな方向に向けることになった本「なぜ部下とうまくいかないのか」を紹介しようと思います。私は、部下を持っている立場ではないんですが、前職でお世話になった先輩が成人発達理論というものがすごいからオススメだよと教えてくれたので読むことにしました。

成人発達理論とは

知識やスキルを発動させる根っこにある知性や意識そのものが、生涯を通じて成長・発達を遂げるという考えのもと、人の成長プロセスやメカニズムを解明する学問のことです。ロバート・キーガン氏が提唱した成人発達理論には5つの発達段階が定義されています。

5つの成人発達段階

発達段階が上がっていくにつれて、「世の中の認識の枠組みが広がっていく」と言われてたり、「より曖昧なものを受け入れていけるようになる」と言われていたり、「物事をより客観的に見れるようになっていく」と言われています。

1.具体的思考段階
2.道具主義的段階
3.他者依存段階
4.自己主導段階
5.自己変容・相互発達段階

各発達段階について

本書では発達段階2から発達段階5の4段階について紹介されているので2から紹介していきます。

発達段階2 道具主義的段階

この段階にいる人は、極めて自己中心的な認識の枠組みを持っています。自分の関心事項や欲求を満たすことに焦点が当てられており、他者の感情や思考を理解することが難しい状態です。自分のために他者を道具のようにみなすという特徴や、物事に対して白黒つけたがる(正しいor間違いとかやりたいorやりたくないなど)二分法的な世界観で生きています。

この段階では「自分の世界と他者の世界を真っ二つに分けてしまうような認識の枠組み」を持っているので、二人称視点が大事になります。相手の気持ちを考えてもらうような問いかけをするのが、この発達段階を超えるのに有効です。

発達段階3 他者依存段階

この段階にいる人は、組織や集団に従属し、他者に依存する形で意思決定をします。そのため、相手の立場に立って物事を考えられるようにはなっています。これは大企業に多い、優秀だが指示待ち人間で自分の意見を言わない人というイメージです。

この段階では「自己認識が他者や所属集団によって定義されている」という状態なので、自分の考えを言語化する習慣づけが必要になります。自分の声を探す努力なしにこの段階を超えることはできません。

発達段階4 自己主導段階

この段階にいる人は、自分なりの価値体系や意思決定基準を持つことができるようになり、自律的に行動ができるようになっています。特徴としては、向上心があり、強い成長意欲を持っています。しかし、自分の考えや価値観を否定されると、強く反応してしまうという特徴を持っています。

この段階と発達段階2の道具主義的段階は自分に焦点があるという点では同じですが、段階2は自分の欲求や願望に縛られており、それらを満たすような利己的な振る舞いをしてしまいます。一方で、段階4は自分の価値観に焦点が当てられており、心の内側にある、より高度な規範に基づいており、その価値観に他者の気持ちを尊重することも含まれています。

この段階では「自己認識の根底には自分の価値観があり、自分の価値体系に縛られている、つまり自分の意見や価値観と自分を同一化している」という状態です。そのため自分とは異なる価値観に基づいた考えや意見をなかなか許容できないので、この段階を超えるには、他者の存在は自分の成長に不可欠であるという認識を持つ必要があります。

受け入れるためには、自分にはどのような思い込みがあるのかを客観的に分析することが重要です。そうすることで、自分の価値観がどのような経験や当時の思考をもとに構築されてきたのかがわかり、自分の行動を制限している思い込みから解放されます。過去の成功体験にとらわれないという意識を持つことも大事です。

発達段階5 自己変容段階

この段階にいる人は、自分の価値観に横たわる前提条件を考察し、深い内省を行いながら、既存の価値観や認識の枠組みを打ち壊し、常に新しい自己を作り上げています。他者とは自分の価値体系をオープンにして関わることでお互いの成長、発達を促す触媒のような存在になります。そのため企業社会において、良き協働者になり、企業のゴール、企業システム、企業文化を見直す際にも重宝されたり、人と組織の永続的な成長を促し、人と組織を導いてくれる真のリーダーになります。

この段階では「自分を構成する諸々のものは虚構の産物であるという認識を持っており、それはつまり、自分を構成するいかなるものにも同一化していない」という状態になります。また、個性や地位、お金、名誉などにも強く同一化しません。

読みながら思ったこと

その1

本書では、発達を急ぎすぎると成長が頭打ちになってしまうみたいなことが書かれていて、それを知るだけでもすごく価値があると思いました。実際に、自分はキャリアのスピードアップに焦点を当てすぎていて、その結果、キャリアを積み上げていくスピードも限界に達していたと思います。詳しい話は私の過去記事(2022年の振り返り)で書いたので気になる方は参照してみてください。本書の発達段階に合わせて簡単に説明すると、元々発達段階4とかで動いていた自分が発達を急ぎすぎたことによる歪みのせいで、発達段階3の振る舞いすらできない状態になっていたという感じです。

その2

発達を急ぎすぎる」ということはどういうことかを考えてみました。自分なりに考えた答えは、現在の自分の価値観に限界を感じていないタイミングで価値観を変えようとする(発達段階を越えようとする)ことだと思いました。価値観とは、自分の今までの人生で得た経験と知識から自分が導き出した、自分が幸せになるための行動方針の暫定的な最適解のことなので、これを無理やり変えようとしても、心が拒否すると思います。なので、今の暫定的な最適解を信じれなくなってきたタイミングが、発達する準備ができた状態だと思います。

その3

とは言っても、発達する速度を上げたい場合には、潰れない程度に価値観に限界を感じる状態を作り出すのがいいと思います。レベルの高い職場に行って適度に外圧がかかってくる環境や、パートナーとより深い関係を築こうとしてみる(同棲とか結婚に向けた準備)とかで可能だと思います。ただ、ほんとうに歪みやすいし潰れやすいのでご注意を。歪みが発生してそうだなと思った場合は、「暇と退屈の倫理学」という本で言われている自己の喪失に陥らないようにすることや、コーチングを通して目標の奴隷になっている状態(doing myself)からありのままの自分(being myself)に変わるようにするとかが良い気がします。(doing myselfは悪い状態ではなくとても良いことですが、それに固執しすぎることで目標の奴隷になってしまうということです。)

その4

本書では、人がどの発達段階にいるかは固定ではなく、置かれている状況に応じて変わるという説明もされていました。確かに仕事をしている時の自分と、親といる時の自分、友達といる時の自分、恋人といる時の自分では、異なる発達段階の振る舞いをしていることに気づきました。常に高い発達段階の振る舞いができるように、場面に応じて出ている発達段階について振り返ってみる時間をとると面白そうだと思いました。この感じは企業の評価システムにも採用されているんだろうなと思いました。安定して次のグレードのパフォーマンスが発揮できれば昇格みたいな感じが似ている気がします。

その5

世の中で言われているダイバーシティ・インクルージョンについての理解も深まった気がしました。ダイバーシティ・インクルージョンへの取り組みは、Webでいうとアクセシビリティの強化みたいな施策等がこれに当たりますね。こんな感じで、世の中的には仕組みを整えていると思うんですが、個人ができる最大の努力は発達段階5になることだろうと思いました。ちなみに発達段階5は人口の1%くらいしかいないらしいので、相当大変ですね。

その6

自分は発達段階4にいる時間が多いと思いました。発達段階5になるためには、自分がどのような価値体系に縛られているのかを見極めることがファーストステップになります。これには、人と話して違いに気づくことが必要だと思います。それらに気づいて違いを吸収(自分と相手の間に落としていくようにアーキテクティング)することで、自分のバイアスや歪みを排除していくことができると思いました。そのためには、コーチングを学ぶ必要があると思って勉強を始めました。コーチングは人に対して行うものですが、中にはセルフコーチングというものもあり、それは自分の望む方向への行動変容を無理なく促すことができます。この「無理なく」というのが大事で、ちゃんとコーチングプロセスに則った成長であれば歪みが生まれにくいと思っています。ちなみに、間に落としていくようにアーキテクティングするというのは、哲学の世界でいう弁証法というものらしいです。自分の思考パターンをこの年になって知ることができたのはでかい。

その7

最近は世の中の出来事を全て運だと思うようになりました。もちろん自分のパフォーマンスや、他人より優れている性質、価値観や発達段階に関してもです。たとえば、自分は周りと比べたらストイックと呼ばれるようなタイプでしたが、その性質を獲得できたのは家庭環境によるものが大きく、家庭環境は自分でコントロールできない要因だからです。私は5人兄弟で片親の時期もあり、貧しかったので努力しないと豊かになれないという認識が小さい頃から作り上げられてました。その結果、勉強は嫌いでしたが、親からとやかく言われずとも勉強はするタイプでしたし、その性質によって獲得できた、「努力することの成功体験」が今の自分に努力をさせているだけだと考えています。ちなみにこの考え方は、構造主義哲学というものに近いそうです。

その8

逆に自分が苦手な「細部に気を配る」みたいなことも、自分がコントロールできない環境要因によって作り上げられてきたものだとも思えます。貧しい家庭環境だと、細かいこと(他の家庭との比較とか自分が他人からどうみられているかとか、1万円の服と1000円の服の違いとか)を気にすると、辛いので、極端に言えば、生存に必要な事象だけ(明日のご飯とか、物欲は破滅を生むとか、何かに依存している状態は不安定とか)を意識するようになります。要するに「死ぬこと以外かすり傷」状態だと思います。小さい頃からこんな感じの価値観で動いてきた自分からすると、生存に必要ないからあまり細部にこだわれないんですよね。

その9

細部にこだわれない問題については、自分が人生を通して育ててきてしまったので解消するには相当な時間と労力がいると思います。(その理由は脳には神経可塑性という性質があるからです。)ただ、これは仕事で高いパフォーマンスを発揮するためにも、日常生活を彩るにも、より多くの人々と会話ができるようになるためにも必要なことだと認識しているので、セルフコーチングを通して改善していきたいと思っているところです。(というかすでに取り組んでいて、一年前と比べると相当改善されている気がします。)これができるようになるには、自分は理論から学んで言語化して、経験をもとに自分の言語化をより洗練させていくみたいな流れになるので、そのスタイルでやっていきたいと思いました。

その10

もう一つだけ、ちなませていただくと、本書では発達段階が上がるほど、物事をより広い視点から見れるようになるかつ、物事の機微にも気付けるようになると書かれていました。発達においては、両軸で進めなければいけないと思うので、私の「細部に気を配る」のが苦手という状態は克服しなければならない課題だと思います。つまり、ここの成長なしに発達しようとしても頭打ちになると思っています。なので、今は物事の違いに敏感になるということを日常から意識しています。直近で自分が変わったことは、ブランド服に興味を持つようになりました。信じられないかもしれませんが、自分の中では「ブランド服もファストファッションも変わらんだろ」と思ってるくらいに細部に気を配れていませんでした。なので、最近はブランド服にトライしてみて、違いを自分の中で言語化しています。

最後に

本書を読んだ収穫は自分が学生時代から考えていた成長の哲学が、成人発達理論という形で、アカデミックに定義されていることを知れたことかと思います。他の収穫を強いて言えば、みなさん忘れているかもしれませんが、私の芸名があたまがきんに君になったということですね。芸名に負けないように、とりあえず下期は体脂肪10%を目指したいと思います。

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