デュアルキャリア・カップル第一章を読んで
最近、彼女と同棲を始めるかどうかという話をしていて、揉めてしまった。しかし、彼女と揉めるのは同棲の話をした時だけではなかった。二人の関係を深めるための話をしようとしたり、前に進めようとするタイミングでも決まって揉めてしまい、お互いが傷ついて消耗していった。私は、どうにか揉めずにお互いにとって良い道を選ぶ方法はないのかと途方に暮れていたところで、「デュアルキャリア・カップル」という本に出会った。
本を読んだ感想を結論から述べると、お互いにとって良い道を選ぶ方法が見つかったのでめちゃくちゃ良かった。カップルが仕事と愛を両立し続けるために必要なことが書かれている本なので、(さらに言えば、どちらかが仕事をしないというタイプだったとしても、お互いが生涯にわたって関係を深め続けるための方法が書かれていると思うので)ぜひ、読んでいただきたい本だ。
概要
カップルが仕事と愛を両立し続けるためのアドバイスは世の中にはたくさんある。例えば、「家事は公平に分担しましょう」や「お互いのための時間を作りましょう」とか「生活とキャリアを両立させましょう」とかだ。しかし、このような表面的なアドバイスは、問題の根本に目を向けておらず、健全な関係を維持することに繋がらない。
32カ国113組のカップルを対象に調査したところ、問題の根本にあるのは、二人の心理(相手に期待する役割、個人の希望と不安、良い関係や良いキャリアの定義等)や社会の圧力(突然の解雇、世間の同調圧力、仕事の大きなチャンス)である。これらの要因によって、カップルは一生のキャリアを通じて、3つの転換期を迎える。それらの転換期は、うまく対応できなければ二人の関係は崩れ、次第に仕事と愛を両立することができなくなってしまう。
これらの転換期を乗り越えるためには、カップルが成長しなければならない。本書の第一章では、それぞれの転換期についての説明と、それを乗り越えるためにどのような成長をする必要があるのかが記されている。
一生を通じて訪れる3つの転換期
第一の転換期
それぞれ独立した仕事と生活を手にした状態から、お互いを頼る状態へ移行する。この転換期のトリガーは、大抵は仕事上の大きなチャンスが到来することや、子供の誕生である。この場合は、キャリアの優先順位や家庭内の分担を話し合わなければならない。具体的には「どうすればうまくいく?」という問いについて、カップルがお互いに考え続ける必要がある。
第二の転換期
お互いが、世間の要求や期待に合わせることをやめ、キャリア、人生、二人の関係に本当に望むものは何かを考えることだ。この転換期のトリガーは、大抵は不満や憂鬱のような感情である。そうした感情がこれから向かう方向や目的を探る現実的な問いに変わっていく。二人の関係に深いレベルで向き合う中で、最初の転換期に決めたキャリアと家庭内の分担についてももう一度話し合うことになる。具体的には「本当に望むものは何か」という問いについて、カップルがお互いに考え続ける必要がある。
第三の転換期
将来の可能性を開きながらも、過去に達成したものに積み上げる形で自分達の関係を再考することになる。この転換期のトリガーは、大抵役割の変化(職場で一番のベテランになる、家から子供たちが巣立っていく、今までより上の世代と見做されるようになるなど)である。アイデンティティに空白ができたような感覚をもたらす。この場合、2つの転換期の未解決の問題を片付けるか、新たな野心や優先事項に基づいて、これからどんな人間になろうかと考えることになる。具体的には「今の私たちは何者なのか」という問いについて、カップルがお互いに考え続ける必要がある。
感想
この本の素晴らしいところは、カップルに訪れる、避けては通れない最重要課題が予測可能になったことだと思う。それによって対策を立てることができるし、あらかじめ相手と認識を合わせることもできる。だから課題がフワッとしていることからくる不安はなくなりそう。
彼女とは遠距離をしていたことや、価値観、好みなどが全然合わなかったので、「どうすればうまくいく?」ということについては考えるようにしていた。幸いなことに彼女も「どうすればうまくいく?」を考え続けようと頑張ってくれているので、第一の転換期を乗り越えるためのスタートラインに立てているのかなと思った。ただ、子供の誕生や住む場所の変化といった大きな変化はまだ経験していないので、そういった規模の変化に対応するために必要な「人間力的な成長量」をどう確保していくかは引き続き課題なのかなと思った。(もちろん個人の成長力を上げることだけじゃなく、いかに外的要因が少なそうな時期に合わせるかとかも大事な気がする。)
あとはせっかく第二、第三の転換期の予測ができたので、あらかじめ考えれることについては考えておきたいと思った。ちなみにすでにお互いに望むものについての話は始めていたが、話し合うべきポイントの漏れがあるとは思っていたので、この本を活用して修正したい。
余談
仕事で、今期の目標を設定しようとしていたところだった。前の期間では、別チームでさらに、英語圏の人と仕事をすることが多く、依頼した仕事の温度感をうまく伝えられなかったり、期待値の認識がずれてしまうことがあったので、今期のテーマはなんとなく「On the same page」にしようと思っていた。その辺りでちょうど彼女との問題が出てきたりしたので、私生活でも「On the same page」を目指して頑張ろうと思った。
またアシスタントマネージャーに「On the same page」について相談したら良いアドバイスをいただいたのでメモ程度に残しておく。
アシスタントマネージャーは「On the same page」を実現するには「伝えたいことは一回で伝わるわけがないので何度も伝えること」、「相手は期待通りに動かないことを前提でいること」そして、「それでも相手に期待する成果を出してもらうために、相手の行動について、変えれる部分と変えれない部分を理解して、変えれる部分についてアプローチしていくこと」が重要だと教えてくださった。
どれも参考になったが、特に三つ目については結構重要なことだと思った。なぜなら自分は他人に期待しすぎて裏切られてしまうことがおおかったり、逆に裏切られるのが怖くて他人に期待しないみたいな極端な方法をとっていたりしたからだ。「相手を知って期待値の設定をうまくする」みたいな方法は自分にとっては斬新だった。
カップルの転換期を乗り越えるためにも、「相手を知ること」、「期待値の設定をうまく行う」の二点はめちゃくちゃ大事なことになる気がするから、仕事も恋愛も今のところ課題感は同じになりそうで、スッキリした。
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