教えない教育・教える教育

(日経新聞2019年1月8日火曜日15面)
こんばんは、脳筋です。
今は人工知能が人間の頭脳に置き換わっていく時代(以降AI時代という)ですが、脳が筋肉の私には関係のない話です。しかし、世間ではAI時代に適応しようとする動きが見られます。その1つとして異色の教育手法が注目を集めています。

その手法はアンスクーリング(非学校教育)です。これは従来のような先生が生徒に教えるという仕組みは一切なく、生徒たちが自ら何をするか決め、疑問にぶつかりながら答えを探すという新しい教育の形なんです。
そこにはカリキュラムや試験はなく、必要なときに手助けするスタッフがいるだけなんです。AI時代に知識を習得するだけでは人工知能と変わらないんです。今求められている力は、自ら問いを立てる力(学問的イノベーションや社会におけるイノベーションに必要な能力)とそれを解決する力です。

ですが、少し不安じゃないですか?これだと教養としての知識が不足してしまうのではないか、教養がない頃から各々に任せて大丈夫なのかと。

私はこの教育手法の着眼点は良いと思いますがまだ完成ではないと思います。その理由は問いを立てる力は教養によって養われるからです。アンスクーリングという手法は生徒が好きなこと自ら選択して取り組むという仕組みなので、知識が偏ってしまい、問いを立てることができたとしても、汎用性がなかったり、意味をなさなかったりでイノベーションが起きるには至らなくなってしまいます。そうならないために、幅広い学問・知識をまず身につけておく必要があります。

結論としては、従来のカリキュラムでガチガチに縛る教育手法とアンスクーリングがバランス良く融合した教育手法が確立すれば、自ら立てる問いに教養によって幅と奥行きが生まれ、人工知能にはできない、人間特有のスキルを身につけていくことができるのではないでしょうか。

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